サーホー(原題:Saaho/ 2020年3月27日公開)

サーホー

『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』
プラバース主演最新作!

[あらすじ]

金や石油の裏取引で組織を発展させ、犯罪都市ワージーの裏社会を支配していたロイ・グループのロイ(ジャッキー・シュロフ)は、組織内の内部抗争により、何者かに暗殺される。それから3週間後。ムンバイ市警は、総額3億ドルの窃盗事件を追っていた。覆面捜査官のアショーク(プラバース)は予知能力を持つかのように的確に捜査を進め、窃盗グループの謎の男(ニール・ニティン・ムケーシュ)への接触に成功する。男は、ワージーにある金庫を開けることができるブラックボックスを入手しようとしていた。ロイ・グループ、ムンバイ市警、謎の窃盗グループによるブラックボックス争奪戦が始まる。
(公式サイトの掲載情報を短縮したもの。日本版予告編に公開されている以上の内容は含めていません)

[補足情報]

『バーフバリ』後、初めてのプラバース主演作品。共演はシュラッダー・カプール(愛するがゆえに)。監督は特にヒット作経験がないスジートで、『バーフバリ』公開後、人気が瞬間沸騰したプラバース主演作に北の映画関連会社が権利を争ったようで、ヒンディー語映画の音楽版権を管理するTシリーズや、映画会社Yash Rajが海外配給を担当するなどし、この作品にかかわっている。

「サーホー」は万歳の意。2019年夏のインドでは、オリジナルのテルグ語、デフォルトでダビングされるタミル語に加え、マラヤーラム語版、ヒンディー語版も公開。プラバースはヒンディー語を学び地声でダビングしたとのこと [a]。インドでは製作費350カロール(35億ルピー)に対し、興収は430カロール。(43億ルピー、出典:sacnilk)。『バーフバリ』でテルグ俳優の人気トップに躍り出たプラバースが、「万歳」で日本に再び旋風を巻き起こすか。

[出典 a] Prabhas to Dub for Hindi Version of Saaho, Takes Hindi Lessons to Get Dialogues Right/ News 18, MAY 13, 2019
https://www.news18.com/news/movies/prabhas-to-dub-for-hindi-version-of-saaho-takes-hindi-lessons-to-get-dialogues-right-2139209.html

[出典 b] Saaho Box Office Collection | All Language | Day Wise | Worldwide/ Sacnilk, Updated On: 14 Nov 2019
https://www.sacnilk.com/articles/entertainment/box_office/Saaho_Box_Office_Collection_All_Language_Day_Wise_Worldwide?hl=en

[作品情報]

原題:Saaho(テルグ/2019)
監督:スジート
出演:プラバース、シュラッダー・カプール、ジャッキー・シュロフ、ニール・ニティン・ムケーシュ、ヴェンネル・キショール、ムラーリ・シャルマー
音楽:バードシャー、タニシュク・バグチ、グル・ランダーワー、シャンカール-エフサーン-ローイ
配給:ツイン
©️UV Creations

公開:2020年3月27日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開。

▼予告編

▼映画『サーホー』オープニング映像大解禁

 公式サイト

https://saaho.jp/

https://twitter.com/Saaho_Twinmovie/status/1232863480975446016?s=20

[特別先行オールナイト上映]

本作のマスコミ試写はたった1回。観客向け試写の代わりに、公開前にはオールナイト上映が行なわれた。

https://twitter.com/movietwin2/status/1234675921098964994?s=20

 

日時・会場:3月14日(土)新宿ピカデリー(スクリーン3 287席)
上映スケジュール:
22時50分〜25時40分 サーホー上映(予告編なし)
25時40分〜26時10分休憩
26時10分〜29時05分 『バーフバリ 王の凱旋(完全版)』上映

チケット:3月6日(金)24時より、劇場ウェブサイトにて発売。残席がある場合のみ、3月7日(土)劇場でも販売。料金:3,000円

[関連情報]

「バーフバリ」俳優プラバースが現代で大暴れ! 主演最新作「SAAHO」20年春公開決定
(2019年9月27日 映画.com)
https://eiga.com/news/20190927/2/

バーフバリ俳優プラバース主演アクション『SAAHO』日本公開決定!
(2019年9月27日 シネマトゥデイ)


https://www.cinematoday.jp/news/N0111406

バーフバリ俳優プラバースが殴る・撃つ・踊る! 驚天動地アクション満載『サーホー』予告編
(2020年1月24日 シネマトゥデイ)

https://www.cinematoday.jp/news/N0113686

バーフバリ』の興奮ふたたび! プラバース主演最新作『サーホー』は全マヒシュマティアン必見!!(Banger!!  2020.02.21掲載)

https://www.banger.jp/movie/28255/

プラバース主演『サーホー』6分超えの本編冒頭映像公開 犯罪都市ワージーの全貌が明らかに(リアルサウンド 2020.02.27掲載)

https://realsound.jp/movie/2020/02/post-511600.html

Movie Buff 作品ページ
https://www.moviebuff.com/saaho 

[レビュー]

強いからヒーローなんじゃない、ヒーローだから強いんだ! プラバースに絶叫・悲鳴・失神!!『サーホー』(ライター:安宅直子)/ BANGER!!! 2020.03.19
https://www.banger.jp/movie/29977/

トリウッドは『バーフバリ』から『サーホー』ワールドへ! 複雑な人間関係を予習できる動画あり!! (ライター 松岡環)/ BANGER!!! 2020.03.27 
https://www.banger.jp/movie/30557/

サーホー (2019) 映画短評/ シネマ・トゥデイ 2020年3月27日
https://www.cinematoday.jp/movie/T0024584/review

日本経済新聞 夕刊 2020/3/27付
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57266110W0A320C2BE0P00/

【深読み映画レビュー】『サーホー』~『バーフバリ』シリーズのスーパースター、プラバース再降臨!/  映画Board 2020/03/26
https://eiga-board.com/posts/4959

キネ旬Review
http://www.kinenote.com/main/feature/review/vol120/p3.aspx

【シネマプレビュー】「サーホー」/産経新聞 2020.4.2
https://www.sankei.com/entertainments/news/200402/ent2004020009-n1.html

【発表】映画『サーホー』初日満足度ランキング1位獲得/ Filmarks 2020.03.30
https://filmaga.filmarks.com/articles/47989/

(文中敬称略)

[DVD発売情報]

発売日 : 2020/9/2
販売元 : 株式会社ツイン

アマゾンで購入楽天で購入

 

[蛇足情報]

『サーホー』をひとことで表すなら、〝バーフバリ後のプラバースのために用意された豪華絢爛な花道映画〟。約3時間にわたり、プラバースの魅力を引き出すストーリーが繰り広げられる。特に終盤のアクションは規模も凄いが、さまざまな乗り物で地上を疾走し、空を飛ぶプラバースの超人的な存在感にはただただ神々しさを感じる。

監督のスジートは1990年生まれで、本作が長編2作目。『バーフバリ』で一気にテルグ語映画界のトップスターに繰り上がったプラバースを主演に迎えることにどれほど注力したか、スタッフリストから推測できる。公式のスタッフリストはこのYouTube動画のクレジットが詳しい [1]。「Saaho Making」の動画(830秒あたりから)で、プラバースも「スジート監督は最高の作品をつくるため、インド国内からトップクラスの俳優、スタッフを集めてきた」と話している [2]。リストを読み込むほど、この作品に賭けたスジート監督の決意やプラバースへの敬意を感じる。

一方、プラバースの前作『バーフバリ 王の凱旋』は、インド映画史の中でも、特筆すべき作品になった。調べれば調べるほどそのインパクトを感じたので、書き綴ってみた。

2017年に公開された『バーフバリ 王の凱旋』はオリジナルのテルグ語のほか、タミル語版、マラヤーラム語、ヒンディー語吹替版も製作された。5年に及ぶ作品の製作期間中(撮影期間は実質4年)すべてのオファーを断り、この作品のみに集中したプラバースの演技と、強烈な悪役バラーラーデーヴァを怪演したラーナー・ダッグバーティーとのケミストリーも相まって、作品はテルグ語、タミル語、ヒンディー語映画の、同年の興収のトップ記録を築いた。その間プラバースは無収入。金銭的に厳しい時があり、現金や小切手をちらつかせるプロデューサーに迷いが生じる日々があったようだが、CMの出演依頼すらもはねつけ、初志貫徹しバーフバリを演じ上げた [3]。テルグ映画界でトップ俳優の出演作品は年に12作品。共演のアヌシュカ・シェッティやラーナー・ダッグバーティーは同じ期間に45本の作品に出演している。映画に出演しなければ収入がないだけでなく、存在すらも忘れられかねない。ヒットするかも未知数の作品に全てを賭けたプラバースの意欲には賞賛しかない。

インド映画の中で最も製作本数が多いのはヒンディー語映画。『バーフバリ 王の凱旋』の公開時期を含む、20174から20188月末までに中央映画検定局(Central Board of Film Certificationの認証を受けたデジタル長編作品は49言語1,813作品(言語混合作品も1言語としてカウント)。うち、北インドのヒンディー語が30516.8%。南インドは、カンナダ語26414.5%)、テルグ語24213.3%タミル語18910.4%)、マラヤーラム映画が1739.5%と、南インドの4言語作品だけで47.8%と半数近くを占める [4]。興収トップはヒンディー語作品が占めるという流れを、『バーフバリ 王の凱旋』のヒットが大きく変えた。

インドの映画情報サイト「Box Office India」にデータがある1990年以降の興収ランキングを見る限り、興収トップとなった作品は常にヒンディー語メインのもので、他言語の作品はない [5]。ラジニカーントの人気で知られるタミル語映画界でも、800カロール(80億円ルピー)という巨額製作費をかけたラジニカーント主演作『ロボット2.0』が2018年に公開されたが、『バーフバリ 王の凱旋』(タミル語吹替版)の興収記録を越えられていない。製作本数が最も多いヒンディー語映画を退け、テルグ語映画の吹き替え版が興収トップになるという尋常ならぬ人気を生み出した『バーフバリ 王の凱旋』は、南インド映画の伝説を築いた作品だといえる。

その後2018年から2019年にかけて、カンナダ語作品では『K.G.F: Chapter 1』(2019)、マラヤーラム語作品では『Lucifer』(2019)など超大作が製作され、で記録を塗り替え歴代1位の大ヒットとなった。公式筋からの発言は確認できていないが、『バーフバリ』のヒットが刺激になったのかもしれない。 [6]

テルグ語映画のみならず南インド映画のレジェンドを築いた『バーフバリ』主演俳優への敬意を込め、『サーホー』の共演者には、メジャーな俳優がインド全土から集められた。ヒンディー語映画界で出演作が軒並みヒットしているシュラッダー・カプール(愛するがゆえに/ 2013)をヒロインに迎え、ヒンディー、テルグ、タミル、マラヤーラム語各言語の映画界から主役級の俳優をキャスティングした。数々のヒンディー語映画に出演しているジャッキー・シュロフ(チェイス/ 2013)やニール・ニティン・ムケーシュ(プレーム兄貴、王になる/ 2015)、2020年にヒットしたタミル映画『Mafia: Chapter 1』 主演のアルン・ヴィジャイなど、脇役と呼ぶには豪華すぎる面々が脇を固めている。

『サーホー』の見どころは、後半のアクションシーン。ここにも、インド国内外でヒット作に携わったスタッフが集められている。ラジニカーント主演のタミル映画『ロボット2.0』(原題:2.0/ 2018)、ハリウッド映画『キングスマン』(2014)などで、スタント監督や助監督を務めるケニー・ベイツ(Kenny Bates)や、Peng Zhang(キングスマン)、ボブ・ブラウン(トリプルX: 再起動)などがアクション監督として参加。クライマックスのシーンは、アラブ首長国連邦のアブダビで30日にわたり撮影が行なわれた。準備に約2か月、かかわったクルーは400人以上。念入りな準備を重ねた撮影により、臨場感溢れるシーンが完成した。[7]

このアクションシーンにおいて、プラバースは、イギリス・トライアンフ社のバイク、Street Tripleと、イタリア・パガーニ社のスーパーカー、ウアイラBC(一説によると、価格は5カロール=5千万ルピー)を乗りこなし、敵からすり抜ける。そして最後はジェットエンジン付きの翼「ジェットマン」で空を舞う。これまでのインド映画で大規模なアクションシーンがあった作品は、ラジニカーント主演『ロボット2.0』(2018)や、『チェイス!』(ヒンディー語/2013)『Shivaay』(ヒンディー語/2016)などがあるが、『サーホー』のクライマックスシーンはそのレベルをはるかに超えたものとなった。[8]

サウンドトラックの使用楽曲は全4曲。曲ごとに異なる作曲家が起用されている。

・Psycho Saiyaan(音楽:Tanishk Bagchi
・Enni Soni(音楽:Guru Randhawa
・Bad Boy(音楽:Badshah
・Baby Won’t You Tell Me(音楽:Shankar-Ehsaan-Roy

音楽に関しては、北インドにベースを置く音楽レーベル兼製作会社、Tシリーズがハンドルを握ったようで、楽曲を手がけたのは、汎インドで活躍するシャンカルエフサーンローイ(名曲揃いのヒンディー映画『たとえ明日が来なくても』音楽監督)を除き、ヒンディー語映画の売れっ子アーティストが参加。南インドの作曲家は含まれていない。『サーホー』はヒンディー語、テルグ語版のほか、タミル語、マラヤーラム語吹替版も製作された。吹替版の曲には各言語の人気歌手が起用されている。

最初のダンスシーン曲「Psycho Saiyaan」テルグ語版とタミル語版の歌唱は、ラジニカーントの甥という説明が不要の、タミル映画界の超売れっ子音楽ディレクター、アニルドが担当。アニルドといえば、2019年のタミル人気トップソング、映画『ペーッタ』の「Marana Maas」のヒット記憶に新しい。振り付けはプラブデーヴァーの兄、ラージュー・スンダラムが務めた。

 

ジャクリーン・フェルナンデス(フライング・ジャット)がアイテム出演する「Bad Boy」では、ヒンディー語版、テルグ語版は人気ラッパーのバードシャー自身が歌い、タミル語版、マヤラーラム語版は、A.R.ラフマーン作品にも参加し絶対的な歌唱力をもつベニー・ダヤル(Benny Dayal)が参加している。

「Baby Won’t You Tell Me」を手がけたShankar-Ehsaan-Royは、数多くのボリウッド作品の音楽を担当してきた大御所トリオ。ゲスト歌手とともに、北南問わず汎インドで活躍するスーパーシンガーShankar Mahdevanがトリを飾る。振り付けは『Dhoom』シリーズなどヒンディー語映画の大ヒット作を手がけてきたVaibhavi Merchant。

吹替版全言語の曲を聴き比べたいほど豪華なアーティストが、『サーホー』のサウンドトラックに集結した。

[参考、出典 1]

1) Saaho Bang/ UV Creations

2) Saaho Making/ UV Creations

 

3) Baahubali 2 actor Prabhas was penniless? SS Rajamouli spills the beans. / Indian Express May 1, 2017
https://indianexpress.com/article/entertainment/regional/baahubali-2-actor-prabhas-was-penniless-ss-rajamouli-watch-video-4635688/

4) INDIAN FEATURE FILMS CERTIFIED FROM 1-4-2018 TO 31-3-2019 (REGION-WISE-LANGUAGE-WISE(DIGITAL) / CENTRAL BOARD OF FILM CERTIFICATION (As of April 3, 1020)
http://www.filmfed.org/IFF2018.html
※この年度には、1813本のデジタル作品のほか、マラヤーラム語のフィルム作品1本が認証を受けている。文中の作品数には吹替版を含めていない。

5)TOP HITS ALL TIME/ Box Office India (As of April 3, 1020)
https://boxofficeindia.com/hit-down.php

10 Highest Grossing Indian Movies Of All Time / Filmfare, July 11, 2019
https://www.filmfare.com/features/10-highest-grossing-indian-movies-of-all-time-34882.html

War to Baahubali 2: 10 highest grossing Hindi films of all time/ India Today, October 19, 2019
https://www.indiatoday.in/movies/bollywood/story/war-to-baahubali-2-10-highest-grossing-hindi-films-of-all-time-1610153-2019-10-19

6) List of highest-grossing Indian films/ Wikipedia as of April 3, 2020
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_highest-grossing_Indian_films

7) Saaho | Shades Of Saaho | Chapter 1/ UV Creations

8) Actor Prabhas Spotted On A Triumph Street Triple Shooting His Next – Saaho/ NDTV car and bike, 02-May-18
https://auto.ndtv.com/news/actor-prabhas-spotted-on-a-triumph-street-triple-shooting-his-next-saaho-1845985

Saaho Promotions with Prabhas’ 5 crs Car/ Glute, Aug 12, 2019
https://m.gulte.com/article/Saaho-Promotions-with-Prabhas-5-crs-Car/2590

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