2019年に劇場公開されたインド映画 Indian Films Released in 2019

2019年に日本で劇場公開されたインド映画は15作品。インド公開から日本公開までの日数が縮まり、インド・日本同年公開作品もありました。今後の公開加速化を期待できそうです。

劇場公開作品 Theatrical Release

バジュランギおじさんと、小さな迷子

ふたりなら、どんな壁でも乗り越えられる

バジュランギおじさんポスターBajrangi Bhaijaan (Hindi/ 2015)
©️Eros international all rights reserved. ©️SKF all rights reserved.
公開日:1月18日
配給:SPACEBOX
監督:カビール・カーン
出演:サルマン・カーン、ナワーズッディーン・シッディーキー、カリーナ・カプール、ハルシャーリー・マルホートラ(新人)
音楽:プリータム

[作品紹介] 声が出ない障碍がある迷子に出会った、お人よしのハヌマーン神信者の青年パワン。実は彼女はパキスタン人だと判明する。行き場がない迷子を親元に送り届けようと、パワンはパスポートも持たず無謀に国境を越えようと企み、二人の旅にはトラブルがつきまとう。ロケにこだわった旅の風景が美しい。人情譚かと思いきや、パワンと家族がヒンドゥー至上主義団体、民族義勇団(Rashtriya Swayamsevak Sangh:RSS)のメンバーであることが劇中でさらりと描かれ、ナショナリストの宗教融和の物語であることが分かる。ヒンドゥー至上主義者らによるイスラーム教徒への暴力行為は、時に殺人事件にまで発展している。ヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の両親に育てられたカビール・カーン監督の、宗教融和に込めた思いの強さを感じずにはいられない。

[映画評・資料] 藤原帰一の映画愛 バジュランギおじさんと、小さな迷子 宗教と国境を超えた善意と共存の物語(毎日新聞 2019年1月20日掲載)

https://mainichi.jp/articles/20190120/ddv/010/070/016000c

(評・映画)「バジュランギおじさんと、小さな迷子」 彼女を故郷へ、心打つ勇気
(朝日新聞 1月18日掲載)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13854875.html?iref=pc_ss_date

バジュランギおじさんと、小さな迷子(映画.com 1月8日掲載)

https://eiga.com/movie/82542/critic/

インド映画の世界が広がるキーワードは?~『バーフバリ』から『バジュランギおじさんと、小さな迷子』まで、「宗教」アイテムが映画を回す
ライター:松岡環 (Banger!!!掲載)

https://www.banger.jp/movie/3343/

https://www.banger.jp/movie/3354/

インドからパキスタンへ。“掛け算”が生み出した700キロの旅路。『バジュランギおじさんと、小さな迷子』 ライター:髙橋直樹(Banger!!! 01.07 掲載)

https://www.banger.jp/movie/2516

Kabir Khan: Salman has no complexity and no complex
(Times of India Priya Gupta Jul 16, 2015)

https://timesofindia.indiatimes.com/entertainment/hindi/bollywood/news/Kabir-Khan-Salman-has-no-complexity-and-no-complex/articleshow/48084667.cms

[資料]

Jai Shri Ram: The Hindu chant that became a murder cry(BBC, 10 July 2019)

https://www.bbc.com/news/world-asia-india-48882053

パドマーワト 女神の誕生

500年の時を超え、インド史上最高の制作費で描く、究極の映像美

パドマーワトポスターPadmaavat (Hindi/ 2018)
公開日:6月7日
配給:SPACEBOX
監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリ
出演:ディーピカー・パドゥコーン、ランヴィール・シン、シャーヒド・カプール
音楽:サンジャイ・リーラー・バンサーリ
©️Viacom 18 Motion Pictures ©️Bhansali Productions

[作品紹介] 13世紀末、西インドメーワール王国の妃パドマーワティを巡り、夫である国王ラタン・シンと、欲するものすべてを手に入れようと、狡猾に攻め入るイスラーム教国の王、アラーウッディーンの対立。インドでの撮影中や公開直前にヒンドゥー至上主義者らが妨害行為や上映反対の暴動を起こし、物議を醸したが、大ヒットした。巨額な製作費を費やした時代劇。これ以上ない映像美。ヒンディー映画界のトップ女優、ディーピカー・パドゥコーンによる民族舞踊をベースにしたソングシーンは必見。

[映画評]日本経済新聞6月7日夕刊

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45811460X00C19A6BE0P00/

世界一の美女(?)を拝みにインドの映画館へ 豪華絢爛『パドマーワト 女神の誕生』 ライター:大倉眞一郎 (Banger!!!  06.06掲載)

https://www.banger.jp/movie/11602/

クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅

初めての旅はハプニングの連続⁉︎ 世界を巡ってアジャが見つけた大切なものとは

クローゼットに閉じ込められた僕の奇想天外な旅ポスターThe Extraordinary Journey of the Fakir (2018)
公開日:6月7日
配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
製作国:フランス、インド、ベルギー、シンガポール、アメリカ
監督:ケン・スコット
出演:ダヌシュ、ベレニス・ベジョ、エリン・モリアーティー
音楽:アミト・トリヴェーディー
©️2018 Copyright BRIO FILMS-SCOPE PICTURES-LITTLR RED CAR-TF1 AUDIOVISUELS-SONY PICTURES ENTERTAINMENT FRANCE All rights reserved. Brio Films ©️Sebastien Bossi

[作品紹介] 演技力で注目を集めるタミル人俳優、ダヌシュの国際デビュー作。奇術師として日銭を稼ぎながら、まだ見ぬ父を探しに旅に出たアジャは、数々のトラブルに巻き込まれてしまう。愉快なファンタジーかと思うと、随所に社会問題が織り込まれ、考えさせられる作品でもある。フランスで大ヒットした小説の映画化。共演のベレニス・ベジョは、『ある過去の行方』でカンヌ国際映画祭演技賞受賞の実力派(彼女の両親は、アルゼンチンの独裁政治を逃れてフランスに移住。映画の登場人物と重なるところがある)。プロデューサーとしても活躍を見せるダヌシュの、華々しい国際俳優デビューになった。モンティ・パイソン風のダンスがあれば、ボリウッド風のダンスもあって、監督の映画愛をも垣間見た。

[映画評・資料]

週刊エンタメ 映画「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」 爽快に描く“大ボラ話” /福岡(毎日新聞6月13日付)

https://mainichi.jp/articles/20190613/ddl/k40/200/316000c

「リッチな体験だった」『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』監督インタビュー (シネマズ 06.07掲載)
https://cinema.ne.jp/recommend/clotabi-movie2019060706/

インドで40本以上の作品に出演するスター俳優が「すべてが楽しかった」と語る撮影裏話(FILMAGA/2019.06.06掲載)
https://filmaga.filmarks.com/articles/2833

SANJU/サンジュ

「きっと、うまくいく」「PK」監督最新作

サンジュポスターSanju (Hindi, 2018)
公開日:6月15日
配給:ツイン
監督:ラージクマール・ヒラニ
出演:ランビール・カプール、パレーシュ・ラーワル、ヴィッキー・コウシャル、アヌシュカ・シャルマ
音楽:アトゥル・ラニンガ、A.R. ラフマーン (ゲスト作曲家)
©️RH Films LLP, 2018

[作品紹介] トップ俳優からドラッグ使用や武器所持で獄中生活も経験したサンジャイ・ダットの紆余曲折な半生。ヒラニ監督作品に出演してきたサンジャイ・ダットとの関係から生まれた作品とはいえ、サンジャイがどんな俳優かを知らずとも楽しめる作品。泥沼のドラック中毒から立ち直ったサンジュ。本人そっくりに演じるランビール・カプール(バルフィ! 人生に唄えば)の演技にも引き込まれる。2018年のヒンディー映画興収トップ作ながら、日本では期間限定公開となり全国展開に至らなかったのが、良作ながらに惜しいところ。薬物からの更生啓発用としても効果ある作品ではないかと思います。

[映画資料] インド映画界、怖すぎ! 裏社会と俳優との密接な関係『SANJU/サンジュ』は実録映画 ライター:松岡環(Banger!! 06.16掲載)

https://www.banger.jp/movie/11937/

ラーマーヤナ/ ラーマ王子伝説

ラーマーヤナポスターRamayana/ The Legend of Prince Rama (1993)
公開日:7月18日
監督:ラーム・モハン、佐々木皓一、酒向雄豪
製作国:日本、インド
©️日本ラーマーヤナフィルム

[作品紹介] インドでドキュメンタリー番組の取材にあたっていた酒向雄豪が古代インドのサンスクリット大叙事詩「ラーマーヤナ」に興味を抱き、1984年にアニメ化を企画。インド・アニメーション界のパイオニア、ラーム・モハンと出会い、共同で製作を進めることになった。1990年に「日本ラーマーヤナフィルム」が設立され、450人のスタッフを集め日本で製作が進められ、1993年に完成。宮崎駿作品にも関わった経験があるスタッフも加わっているという。映画祭上映を経て劇場公開が待たれていた中、インドや日本での宗教に関連する事件が起こったため公開が見送られてしまった『ラーマーヤナ ラーマ王子伝説』。完成から四半世紀以上を経て、ようやく公開の運びとなった。

※この作品の製作年は、紹介媒体によって1992年、1993年、1998年とブレています。下記、「日本映画データベース」(文化庁)の記述を採用しました。

http://www.japanese-cinema-db.jp/Details?id=3464

[資料] TUFS Cinema内同作品PDF(5MB)

https://tufscinema.files.wordpress.com/2019/12/200110_tufscinema.pdf

ケサリKESARI/ケサリ 21人の勇者たち

21人 VS 10,000人
映画史上最も過酷な死闘が始まる――

ケサリポスターKesari (Hindi/ 2019)
公開日:8月16日
配給:ツイン
監督:アヌラーグ・シン
出演:アクシャイ ・クマール、パリニーティー・チョープラー
©️Dharma Productions

[作品紹介] アフガニスタンから攻めてきた1万人の軍に、たった21人で戦ったケサリ(サフラン色)のターバンを着けたシク教徒の兵士たち。1897年、イギリス領のインド北部(現在のパキスタンとアフガニスタン国境付近)で起こったサラガリ砦での戦いの実話に基づいた作品。主演は、米フォーブス誌の「稼ぎ人リスト」常連アクシャイ・クマール。2019年インドでの大ヒット作。

[映画資料] 誇り高き勇者21人が、1万もの敵兵を前に壮絶バトルを繰り広げる!  伝説の戦いを映画化『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』ライター:松岡環(Banger!!! 08.18掲載)

https://www.banger.jp/movie/15940/

あなたの名前を呼べたなら

インド、ムンバイ・ラトナは裕福なアシュヴィンに使える住み込みの家政婦。
遠くて近い二人の世界が交差した時ーー。

あなたの名前を呼べたならポスターSir (Hindi, Marathi, English/ 2018)
公開日:8月2日
製作国:インド、フランス
配給:アロバトロス・フィルム
監督:ロヘナ・ゲラ
出演:ティロタマ・ショーム、ヴィヴェーク・ゴーンバル、ギータンジャリ・クルカルニ
©️2017 Inkpot Films Private Limited,India

[作品紹介] ムンバイで住み込み家政婦として働くラトナ。結婚が破談になってしまった雇い主アシュヴィンを、日々気遣っている。そんな中、ラトナはアシュヴィンにある願いごとを申し入れ、それをきっかけに二人は親交を深めていく。ラトナは家の事情で若くして結婚させられるが、夫が早逝し未亡人となり、嫁ぎ先への仕送りのために住み込みで働くという不幸を詰め合わせたような人生であることが明かされる。ゲラ監督は過去にテレビやヒンディー映画の脚本や構想を手がけているが、アメリカで学びNPOの広報を担当するなど、広く世界を見てきた人。かつて自身の家で働く使用人を見て階級社会の不条理を感じ、作品の構想としたという。インドにおいて身分格差がある恋愛は非現実的だが、フィクションの部分には監督の願いが込められているのだと受け取れる。2018年カンヌ国際映画祭批評家週間「GAN基金賞」受賞作。公開前に監督が来日し、多くのメディアでインタビューが取り上げられた。

[映画評、監督インタビュー]

ラブストーリーを通してインドの階級格差と寡婦問題を描く 映画「あなたの名前を呼べたなら」監督インタビュー(毎日新聞 8月1日掲載)

https://mainichi.jp/articles/20190731/mog/00m/040/013000c

藤原帰一の映画愛 あなたの名前を呼べたなら 階級の隔たりと性差別、空間と言葉の抑制で
(毎日新聞 7月28日掲載)

https://mainichi.jp/articles/20190728/ddv/010/070/019000c

シネマの週末・この1本 あなたの名前を呼べたなら 理不尽でもまっすぐに
(毎日新聞 8月9日 東京夕刊掲載)

https://mainichi.jp/articles/20190809/dde/018/070/002000c

インドの女性問題と階級格差を描く『あなたの名前を呼べたなら』
映画の境界線 大場正明(Newsweek 日本版 8月1日掲載)

https://www.newsweekjapan.jp/ooba/2019/08/post-69.php?t=1

階級格差を超えた愛…ロヘナ・ゲラ監督インタビュー(読売新聞大手小町 8月2日掲載)

https://otekomachi.yomiuri.co.jp/enta/20190802-OKT8T166390/

食事をする場所も別々 インドに今も残る身分制度のおかしさ
ロヘナ・ゲラ――この人のスケジュール表 月永 理絵(週刊文春 2019年8月8日号)

https://bunshun.jp/articles/-/13140

未亡人のメイドと雇い主の御曹司、禁断の恋… 階級社会インドで未公開のワケは?『あなたの名前を呼べたなら』監督が語る ライター:松岡環(Banger!!! 08.02掲載)

https://www.banger.jp/movie/15161/

シークレット・スーパースター

私には、歌がある。

シークレットスーパースターポスターSecret Superstar (Hindi/ 2017)
公開日:8月9日
配給:フィルムランド、カラーバード
監督:アドヴェイト・チャンダン
出演:ザイラー・ワシーム、メヘル・ヴィジュ、ラージ・アルジュン、アーミル・カーン
音楽:アミト・トリヴェーディー
©️AAMIR KHAN PRODUCTIONS PRIVATE LIMITED 2017

[作品紹介] イスラーム教徒の家庭に生まれたインシアは歌手を夢見ていたが、厳格で、女性に対して差別的な考えを持つ父から歌を禁じられる。どんな状況にも耐え、インシアが夢に近づけるよう密かにサポートする母。自分の歌を発表したいと、インシアはブルカを被りYouTubeに歌の動画をアップする。「シークレット・スーパースター」と名乗り、たちまち人気を集めた彼女は、動画へのコメントを通じ、落ち目の音楽プロデューサー、シャクティ・クマールと出会う。

『ダンガル きっと、つよくなる』で父と娘を演じた、アーミル・カーンとザイラー・ワシームが再共演。社会問題討論テレビ番組「Satyamev Jayate(真実は必ず勝つ)」のホストも務める俳優のアーミル・カーンが、チャラくてダメな音楽プロデューサー役で笑いをとる。アーミルのマネージャーを長年務めたチャンダン監督のデビュー作。インドでは、稼ぎ手にならない女児殺しが行なわれている地域があることは知られ、作品には女性を勇気づけるメッセージも込められている。社会問題を含んでいるためかインドでの興収はごく普通ではあったが、中国では爆発的にヒットした。製作陣は触れていないが、インド北東部アッサム出身でリアリティTV番組から歌手になったイスラーム教徒の少女の実話にヒントを得たのではないかとの推測がある。国際交流基金の招きでアーミル・カーンが来日し、ゾーヤー・アクタルと対談する企画があったが、アーミルのスケジュール変更のためキャンセルになったのは残念。

[映画評、資料]

藤原帰一の映画愛 シークレット・スーパースター インド社会の価値観、笑いと涙を交え批判 (8月4日掲載)

https://mainichi.jp/articles/20190804/ddv/010/070/022000c

顔を隠した少女がYouTubeで運命を切り開く! インド映画界の至宝アーミル・カーン出演『シークレット・スーパースター』ライター:髙橋直樹(Banger!!! 08.05掲載)

https://www.banger.jp/movie/14874/

絶対に夢を諦めない! YouTubeで人生を変える歌手志望の少女 おおらかな人間賛歌のインド映画『シークレット・スーパースター』ライター:関根忠郎(Banger!!! 09.03掲載)

https://www.banger.jp/movie/16804/

「夢を持ち続ける美しさを描いている」注目のインド映画が満足度ランク首位 (ぴあ映画生活 08/13)

http://cinema.pia.co.jp/news/181971/79951/

Is Aamir Khan’s Secret Superstar based on the life of Nahid Afrin?
By Subhash K. Jha (Bollywood Hungama Oct 14, 2017)

https://www.bollywoodhungama.com/news/bollywood/aamir-khans-secret-superstar-based-life-nahid-afrin/

ヒンディー・ミディアム

英語が話せないなんて! ヒンディー流、受験戦争

ヒンディーミディアムポスターHindi Medium (Hindi/ 2017)
公開日:9月6日
配給:フィルムランド、カラーバード
監督:サケート・チョードリー
出演:イルファン・カーン、サバー・カマル、ディーパク・ドブリヤル
©️Maddock Films

[作品紹介] 下町で衣料品店を営み裕福な生活を営むものの、学歴コンプレックスがあり英語が苦手な夫婦。娘には不自由のない人生を歩んでほしいと、英語教育校の「お受験」に挑戦するが全滅。合格を勝ち取るための策を練る。受験競争をテンポよく風刺し、笑いのツボをおさえつつも人情も忘れない、爽やかな教育コメディーに仕上がっている。親の学歴が文学学士しかなかったため子供が受験に失敗し、親がMBAコースに入り直したインド人の実話がベースになっているという。インドの地方言語同士では全く通じない言語もあり、英語が多用される点も、英語教育校が憧れを集める理由といえるだろう。国際的に活躍するイルファン・カーンがパキスタンのドラマ女王、サバー・カマルと共演。中国では大ヒット。2020年インドでは、続編となる『Angrez Medium』が公開予定。

[映画評・資料]

14歳以下の人口が3億5000万人!教育コメディ映画「ヒンディー・ミディアム」に学ぶインドのお受験サバイバル 望月奈津子(@DIME 09.06掲載)
https://dime.jp/genre/767335/

妊娠中に子を塾に申し込み、願書を詐称…インドの驚きのお受験戦争 「英語力」という新たなカースト 映画ライター 此花 わか(FRaU 9.7掲載)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67048

『ヒンディー・ミディアム』インドの教育&お受験事情とは?在日”高学歴”インド人が語る(Fan’s Voice 09.04掲載)

https://fansvoice.jp/2019/09/04/hindi-medium-itv/

Q&A: Saket Chaudhary on ‘Hindi Medium’ and India’s education system
Shilpa Jamkhandikar(Reuters, APRIL 27, 2017)

https://www.reuters.com/article/india-movie-hindimedium/qa-saket-chaudhary-on-hindi-medium-and-indias-education-system-idUSKBN17T0V9

ホテル・ムンバイ

2008年、五つ星ホテルで起きたテロからの、奇跡の脱出劇
彼らは〈信念〉だけで銃に立ち向かった

ホテル・ムンバイポスター公開日:9月27日
Hotel Mumbai (2018)
製作国:オーストラリア・アメリカ・インド
配給:ギャガ
監督:アンソニー・マラス
出演:デヴ・パテル、アーミー・ハマー、ナザニン・ボニアディ、アヌパム・ケール
©️2018 HOTEL MUMBAI PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION, ADELAIDE FILM FESTIVAL AND SCREENWEST INC

[作品紹介] 2008年にムンバイで起こった、イスラーム武力勢力による同時多発テロ事件を映画化。テロリストに占拠された五つ星ホテル、タージマハル・ホテルで宿泊客など500人以上が人質となったが、ホテルマンが決死の覚悟で宿泊客を救い、多くの人々が生還を果たした。米Variety誌の「注目すべき映画監督10人」に選ばれたオーストラリアのアンソニー・マラスがメガホンを執り、『スラムドッグ$ミリオネア』『ライオン』のデヴ・パテルが主演。スタッフの徹底的なリサーチと取材を経て、リアリティ溢れる作品に仕上げられた。

[映画評・資料]

「インドの9・11」ムンバイ同時多発テロを描く、『ホテル・ムンバイ』
大場正明 映画の境界線(Newsweek 日本版9月26日掲載)

https://www.newsweekjapan.jp/ooba/2019/09/post-72_2.php

世界が震撼したテロ…丸腰の人々が過激派テロリストに立ち向かった実話を映画化した監督が語る衝撃の事実 映画ライター 此花 わか(現代ビジネス 10.1掲載)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67520

無差別テロを忘れないために 実話をベースにした映画「ホテル・ムンバイ」 アンソニー・マラス監督インタビュー(毎日新聞 9月27日掲載)

https://mainichi.jp/articles/20190927/mog/00m/040/006000c

ガリーボーイ

言葉で気持ちに火を付けろ

ガリーボーイ ポスターGully Boy (Hindi/ 2019)
公開日:10月18日
配給:ツイン
監督:ゾーヤー・アクタル
出演:ランヴィール・シン、アーリアー・バット、シッダーント・チャトゥルベーディー、カルキ・ケクラン
音楽:Divine, Naezy, Ankur Tewari , Dub Sharma, NAS, Midival Punditz, Karsh Kale, Raghu Dixit, Jasleen Royal
©️Excel Entertainment and Tiger Baby

[作品紹介] ムンバイのダラヴィ・スラムに育ったイスラーム教徒の大学生ムラド。富裕層の雇われ運転手として働く父がケガをしたため、父が復職するまでの間、学校を休み父の代わりに働くことに。そこで目の当たりにしたのは、努力しても超えられない社会格差だった。ヒップホップと出合い、思いを書き綴った詩をラップバトルで披露したことで彼の人生が少しずつ動き始める。実在のラッパー、DivineとNaezyにインスパイアされたストーリー。新宿ピカデリーでの特別プレビューの際、監督と脚本を担当したリーマー・カーグティーが登壇。ムラドの役は、趣味でラップをしていたランヴィールにアテ書きしてつくったものだと語っている。米アカデミー賞国際長編映画賞(旧:外国語映画賞)のインド代表に選ばれたものの、残念ながら候補には残らなかった。日本公開時、日本のラッパー、ANARCHYがラップで貧困のドン底から抜け出した自身の半生を映画化した『WALKING MAN』と劇場クラッシュ。2作品両方観た人は多いはず(観ました)。ラップで人生を見つけ、貧困から這い上がる物語は、『8Mile』(2002)だけじゃない。

[映画評・資料]

藤原帰一の映画愛
ガリーボーイ スラム発の成功物語、紋切り型排し存在感
(毎日新聞10月20日掲載)

https://mainichi.jp/articles/20191020/ddv/010/070/003000c

(評・映画)「ガリーボーイ」 男らしさ避けた怒りと情熱
(朝日新聞 10月18日掲載)

https://www.asahi.com/articles/DA3S14223188.html

スラム暮らしの青年がラップで下克上! 驚きの実話『ガリーボーイ』監督と脚本家が語る ライター:松岡環(Banger!!! 10.18掲載)

https://www.banger.jp/movie/19870/

危険な“アジア最大級のスラム街”で撮影を慣行!インド発ヒップホップ映画『ガリーボーイ』監督と脚本家が語る ライター:松岡環(Banger!!! 10.23掲載)

https://www.banger.jp/movie/19871/

多様性と普遍性を増す昨今のボリウッドを象徴するラッパー成功譚
映画.com(10月15日掲載)

https://eiga.com/movie/91443/critic/

ゾーヤー・アクタル (映画『ガリーボーイ 』監督)インタビュー
(Qetic掲載)

https://qetic.jp/music/gullyboy-zoya-akhtar-pickup/333454/

『ガリーボーイ』 みんなで思いっきり踊りたい!
(山陽新聞 花まるシネマ 10月15日掲載)

https://www.sanyonews.jp/article/949125

想像をはるかに超えたインドの格差社会 実話が題材の感動作「ガリーボーイ」
シネマパラダイス (zakzak by 夕刊フジ10.19掲載)

https://www.zakzak.co.jp/ent/news/191019/enn1910190008-n1.html

スラム街出身だけど…インド階級差別社会に立ち向かう青年の生きざま
写真・角戸菜摘 文・尹 秀姫 (an.an web  10.17掲載)

https://ananweb.jp/anan/255746/

「ガリーボーイ」監督&脚本家が来日、ランヴィール・シンら出演者も日本公開に歓喜(映画ナタリー9月5日掲載)

https://natalie.mu/eiga/news/346472

ロボット2.0

激闘! おじさんロボ vs スマホロボ

ロボットポスター2.0 (Tamil/ 2018)
公開日:10月25日
配給:アンプラグド・KADOKAWA
監督:シャンカル
出演: ラジニカーント、アクシャイ・クマール、エイミー・ジャクソン
音楽:A.R.ラフマーン
©2018 Lyca Productions. All rights reserved.

[作品紹介] 2012年に日本公開された破天荒なロボットSFの続編。街中のスマートフォンが意思を持ったかのように所有者の手から飛び立ち、鳥モンスターとなり人々を襲う事件が発生。科学者バシー博士はアシスタントのロボットとともに調査を行ない、前作で停止させた自作のロボット、チッティを再起動する。チッティと鳥モンスターの戦い。製作コストが膨れ上がり、最終的には円換算で90億近くになったという力が入ったSFで、2018年のタミル映画興収トップ作品。『シヴァージ』では想像をやすやすと超えるストーリーで、前作では元ミス・ワールドのアイシュワリヤー・ラーイに鳥コスチュームでマチュピチュで踊らせるなど破茶滅茶な作風で知られるシャンカル監督作品。しかし意外にも踊る場面は激減し、環境保全、生物保護へのメッセージが込められ、まっとうな作品で驚いた。アシスタントロボット役は、ミス・ティーン・ワールド優勝でインド映画業界から声がかかり、南インド映画を中心に活躍するイギリス人のエイミー・ジャクソン。鳥モンスター役はアクシャイ・クマール。音楽はA.R.ラフマーン。日本より1か月前に公開された中国でのスクリーン数はなんと4万8,000。

[映画評]
(プレミアシート)「ロボット2.0」 踊らないインド最先端
(朝日新聞10月25日掲載)

https://www.asahi.com/articles/DA3S14231859.html

驚きと興奮の連続。1秒先が予測不能! 驚天動地の傑作にして大怪作
(映画.com 10月21日掲載)

https://eiga.com/movie/91563/critic/

まさかの黒魔術映画!? メカニカルでド派手な呪術合戦!『ロボット2.0』
ライター:安宅直子 (Banger!!! 10.24)

https://www.banger.jp/movie/19983/

江戸木純(映画評論家)、岡本敦史(映画秘宝編集部スタッフ)が世界最強おじさんロボット「チッティ」の魅力を語りまくり!『ロボット 2.0』映画秘宝独占ビール付きジャパンプレミア(映画ナビ、10月2日掲載)

http://eiganavi.entermeitele.net/news/2019/10/20-09d0.html

映画『ロボット2.0』 インドで「はっちゃけた」大作が実現できる、驚愕の製作内情とは(マグミクス 10.23掲載)

https://magmix.jp/post/18170

2.0 China box office collection Day 2: Rajinikanth film spirals down
India 9.8(India Today 09.08)

https://www.indiatoday.in/movies/regional-cinema/story/2-0-china-box-office-collection-day-2-rajinikanth-film-spirals-down-1596843-2019-09-08

マッキー(復活上映)

あのハエ(マッキー)が日本に帰ってくる!

マッキー再上映ポスターMakki (Dubbed in Hindi/ 2012)
公開日:11月10日
配給:TCエンタテインメント
監督:S.S.ラージャマウリ
出演:スディープ、ナーニ、サマンタ
音楽:M.M.キーラヴァーニ
©️M/s. VARAHI CHARANA CHITRAM

[作品紹介] 隣に住むビンドゥに思いを告げた日、青年ジャニは建設会社社長のスディープに殺されてしまう。ライバルを消したスディープはビンドゥに近づくが、そこに1匹のハエが現れる。恋敵にあの世送りにされた青年が、ハエに転生し復讐する奇想天外な話。テルグ語版がオリジナルながら、日本では2013年にヒンディー語版で公開。『バーフバリ』ラージャマウリ監督作品の人気の高まりから再上映に至った(今回もヒンディー語版での上映)。当時としては最高水準のVFXで描かれたハエ。各所に盛り込まれたコメディーと、ビンドゥを演じるサマンタの可憐な美しさが清涼剤。カンナダ映画界の人気俳優、スディープの悪役が見事。

[資料]

『バーフバリ』の原点はここに⁉ インド発のアクションコメディの再公開が決定(スクリーンオンライン 09-07掲載)

https://screenonline.jp/_ct/17299222

盲目のメロディ インド式殺人狂想曲

予測不能なブラックコメディに、全インドが喝采! 騒然!

盲目のメロディポスターAndhadhun (Hindi/ 2018)
公開日:11月15日公開
配給:SPACEBOX
監督:シュリラーム・ラーガヴァン
出演:アーユシュマーン・クラーナー、タブー、ラーディカー・アープテー
音楽:アミト・トリヴェーディー
©Eros international all rights reserved

[作品紹介] 盲目のピアニスト・アカーシュは、交通事故をきっかけにソフィに出会い、彼女の父が経営するピアノバーでの演奏の機会を得る。俳優のプラモードに気に入られ、アカーシュは自宅でのプライベート・コンサートの依頼を受ける。プラモードの家を訪れたアカーシュは、不運にもそこで殺人事件を〝目撃〟し、妻のシミーから「見ていないか」疑いをかけられる。そこから始まるジェットコースター・スリラー。ピアノを猛特訓し、手の吹き替えなしで演技に臨んだアーユシュマーン・クラーナーは本作で国家映画賞の演技賞を受賞。作品も、同賞ヒンディー語映画の最高賞に輝いた。老俳優の「トロフィー・ワイフ」を演じるタブー(ライフ・オブ・パイ/虎と漂流した227日)の美しく狡猾な表情も見どころ。公開から1年後、オーストラリアでの映画祭授賞式でのタブーのコメントがきっかけとなり、エンディングをどう理解するのか議論が再燃。監督自身も驚かされたという。

[映画評・資料]

『盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~』――桜庭一樹のシネマ桜吹雪
インドのヒッチコック 桜庭 一樹(週刊文春11月28日号)

https://bunshun.jp/articles/-/15693

インド映画の概念を覆すブラックコメディー 「盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲」シネマパラダイス(zakzak by 夕刊フジ11.16掲載)

https://www.zakzak.co.jp/ent/news/191116/enn1911160006-n1.html

盲目のピアニストが殺人を“目撃”?! 予測不能サスペンス『盲目のメロディ ~インド式殺人狂騒曲~』ライター:松岡環(Banger!!! 11.13掲載)

https://www.banger.jp/movie/21686/

【シネマプレビュー】盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲
(産経新聞 11.22掲載)

https://www.sankei.com/entertainments/news/191122/ent1911220004-n1.html

燃えよスーリヤ!!

痛みを知らずに悪を討つ!

燃えよスーリヤポスターMard Ko Dard Nahin Hota (Hindi/2018)
公開日:12月27日公開
配給:ショウゲート
監督:ヴァサン・バーラー
出演:アビマニュ・ダサーニー、ラーディカー・マダン、グルシャン・デーヴァイヤー、マヘーシュ・マーンジュレーカル
©️2019 RSVP,  a division of Unilazer Ventures Private Limited

[作品紹介]  先天的に痛みを感じない「無痛症」のスーリヤは、レンタル落ちのビデオテープで見た香港映画からカンフーを学ぶ。痛みを感じない体という最強の武器とカンフーで戦うスーリヤは、ある時、不良に絡まれていた女性を助ける。それは幼なじみのスプリだった。スプリと彼女の師匠を守るため、スーリヤは戦いに身を投じる。トロント国際映画祭観客賞受賞作。ヒンディー映画界の新波系監督、アヌラーグ・カシュヤプの下で助監督や脚本経験を積み、初長編作『Peddlers(行商人たち)』(2012)がカンヌ国際映画祭の批評家週間でプレミア上映されるも配給がつかなかったバーラー監督、初めての劇場公開作。主演のダサーニーは映画デビュー作。作品のために猛特訓で体をつくりあげ、スタント吹き替えなし、満身創痍で演じきった。

[映画評]

ブルース・リーにオマージュを捧げた映画がインドから登場!『燃えよスーリヤ!!』
紀平照幸 | 映画ライター (Yahoo! News 12/27掲載)

https://news.yahoo.co.jp/byline/kihirateruyuki/20191227-00156604/

(評・映画)「燃えよスーリヤ!!」 踊りの局面はアクションに
(朝日新聞 12月27日掲載)

https://www.asahi.com/articles/DA3S14310555.html

『燃えよスーリヤ!!』 ブルース・リー愛が詰まった、インド発のエンタメアクション(山陽新聞 花まるシネマ 12月24日掲載)

https://www.sanyonews.jp/article/970368

インド発の異色カンフー映画 「燃えよスーリヤ!!」
(zakzak by夕刊フジ 12.28掲載)

https://www.zakzak.co.jp/ent/news/191228/enn1912280006-n1.html

「踊らない・歌わないインド映画」が増加した理由とは? アジア映画研究者の松岡環さんに聞く
(ガジェット通信、12.24掲載)

https://getnews.jp/archives/2333016/gate

映画祭・企画上映 Film Festivals

2019年に映画祭や企画上映などで紹介されたインド映画は51作品(当委員会調べ)。映画祭では話題作の上映が続き好調だった反面、東京国際映画祭ではインド映画の上映なし、第8回目となるはずだったインディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)が開催されないなど、大きな変化もありました。

大阪アジアン映画祭

Bulbul can sing poster開催期間:3月8日(金)〜17日(日)
上映作品:ブルブルは歌える(日本初上映)
Bulbul Can Sing (Hindi, Assamese/ 2018)
監督:リーマ ・ダス
©️Mooov Film Distribution

アッサム州の農村部に暮らす若者たちを描く。前作が米アカデミー賞国際長編映画賞インド代表に選出されたダス監督作品、日本初上映。大阪アジアン映画祭では「スペシャル・メンション」を受賞。

イスラーム映画祭4

sudanifromnigeria poster開催期間:3月の東京を皮切りに、名古屋、神戸にて開催。
上映作品:ナイジェリアのスーダンさん(日本初上映)
Sudani From Nigeria (Malayalam/ 2018)
監督:ザカリヤ
出演:サウビン・シャーヒル
©️Happy Hours Entertainments

ケーララ州でサッカー選手として活躍するアフリカ人と、イスラーム教徒の人々との交流を描く人情譚。イスラーム教をテーマとし、過去にも多くの良作を紹介してきたイスラーム映画祭での上映。フィルムフェア賞(サウス)、ケーララ州国際映画際、ケーララ州映画賞、国家映画賞など数々の映画賞でベストフィルム賞をさらった作品が、日本で上映される好機となった。

ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2019

開催期間:5月29日(水)~6月16日(日)

愛の欠片 (原題:The Unsaid)
監督 : Prem Singh

ビヘルピア(原題:Behrupiya)
監督:Pankaj Bangde

無風になびく髪(原題:Bebaak, 英題:Dying wind in her hair)
監督:Shazia Iqbal

眠りの銃声(原題:Nooreh)
監督:Ashish Pandey

TUFS cinema

マントーポスター上映日:東京:7月4日、7日/大阪:7月5日(金)
上映作品:マントー(日本初上映)
MANTO (Hindi, Urdu/2018)
監督:ナンディタ・ダース
出演:ナワーズッディーン・シッディーキー
©️Nandita Das Initiatives, Viacom 18 Motion Pictures

1947年のインド・パキスタン分離独立に巻き込まれ、人気作家から波乱の人生を強いられたマントーを描く。東京外国語大学TUFS Cinemaで上映され、“Dark is Beautiful” キャンペーンなど活動家でもあるナンディタ・ダース監督が来日し、上映後のトークを行なった。このほか、ワークショップ「現代インド女性をめぐる問題:女優として活動家として」も開催された。

[資料]

ナンディタ・ダース監督 表現の自由求めあらがう ウルドゥー語作家描く映画「マントー」(毎日新聞8月22日夕刊)

https://mainichi.jp/articles/20190822/dde/014/200/007000c

カナザワ映画祭2019大怪談大会 @池袋新文芸坐

アマンポスター開催日:8月10日
上映作品:
アマン(おそらく日本初上映)
原題:Ammoru(Telugu/ 1995)
監督:Kodi Ramakrishna
出演:ラムヤー・クリシュナン、サウンダリヤー、スレーシュ
©️M.S. Arts

『バーフバリ』で国母シヴァガミを演じたラムヤー・クリシュナン主演の、大ヒット女神様ホラー・ファンタジー。アジアのホラー映画特集内で上映された。

アジアフォーカス・福岡国際映画祭

シヴァランジャニポスター開催:9月13日〜19日
上映作品:シヴァランジャニとふたりの女(日本初上映)
Sivaranjiniyum Innum Sila Pengalum (Tamil/ 2018)
監督:ヴァサント・S・サーイ
出演:パールワティ、ラクシュミー・プリヤー、カルナーカラン
©️Sree Chithra Talkies

1980年、1995年、2007年と、異なる時代を生きる3人の女性を描き、変わらぬ女性差別の現状を浮き上がらせる。監督が来日し、Q&Aに登壇。同映画祭の観客賞を受賞した。

[資料]

FIFF Q&Aリポート ※結末に触れています。

http://www.focus-on-asia.com/interview/6736/

インディアンムービーウィーク 2019

IMWポスター開催期間:9月〜2020年1月にかけ、東京、名古屋、京都、神戸、福岡で開催。
主催:SPACEBOX

[上映作品]
・タミル映画 :サルカール 1票の革命(原題:Sarkar)(18)/カーラ 黒い砦の戦い(原題:Kaala)(18)/ペーッタ(原題:Petta)(19)/永遠の絆(原題:Viswasam)(19)/’96(原題:’96)(18)

・ヒンディー映画 :フライング・ジャット(原題:A Flying Jatt)(16)/弁護士ジョリー2~真実を白日のもとに(原題:Jolly LL.B 2)(17)/バレーリーのバルフィ(原題:Bareilly Ki Barfi)(17)/ジェントルマン(A Gentleman)(17)

・カンナダ映画 :ベルボトム(原題:Bell Bottom)(19)
・マラヤーラム映画:ウスタード・ホテル(原題:Ustad Hotel)(12)

インド人向け自主上映を開催し、劇場公開作品の配給も始めたSPACEBOXによる、ヒンディー映画(いわゆるボリウッド)だけではない、多様なインド映画を紹介する企画。タミル、ヒンディー、マラヤーラム、カンナダと4言語11作品のインド映画が日本語字幕付きで上映された。一部、過去に自主上映が行なわれた作品はあるが、日本語字幕では全作品が初上映。映画通好みのセレクションで同団体が前年まで開催していた「インディアン・シネマ・ウィーク(ICW)」からタイトルが変更され、宣伝ツールがレベルアップした。ラジニカーント、アジット・クマール、ヴィジャイ、ヴィジャイ・セードゥパティといったタミルの人気・注目俳優作品が上映された。

[資料]

今どきのインド映画は恋とダンスだけじゃない! 東京・キネカ大森で「インディアンムービーウィーク2019」開催 (zakzak by 夕刊フジ 9月6日掲載)

https://www.zakzak.co.jp/ent/news/190906/enn1909060005-n1.html

インド映画を集めた特集上映「インディアンムービーウィーク」全国5都市で開催
(映画ナタリー 11月20日掲載)

https://natalie.mu/eiga/news/356159

IMW ヒンディー映画セレクション

IMWヒンディー映画セレクション開催期間:10月(イオンシネマ市川妙典)、12月(キネカ大森)
主催:SPACEBOX

【上映作品】
『ムンナー・マイケル』(原題:Munna Michael/ 2017)
監督:サビール・カーン
出演:タイガー・シュロフ、ナワーズッディーン・シッディーキー、ニッディ・アゲルワール

『人生は二度とない』(原題:Zindagi Na Milegi Dobara/ 2011)
監督:ゾーヤー・アクタル
出演:リティク・ローシャン、アバイ・デーオール、ファルハーン・アクタル、カトリーナ・カイフ、カルキ・ケクラン
音楽:シャンカル・エフサーン・ローイ

『ラーンジャナー』(原題:Raanjhanaa/ 2013)
監督:アーナンド・L・ラーイ
出演:ダヌシュ、ソーナム・カプール、アバイ・デーオール、スワラー・バースカル
音楽:A.R.ラフマーン

映画祭上映された2作品+タイガー・シュロフ主演の日本未公開作『ムンナー・マイケル』を新しい日本語字幕で上映。スペインロケ作品『人生は二度とない』は、ラテンビート映画祭(2011)とインディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)2012で『人生は一度だけ』題で上映。『ラーンジャナー』はIFFJ 2014にて。『人生は二度とない』『ラーンジャナー』ともに、インドでは高く評価されているものの日本では映画祭上映にとどまり、再上映が望まれていた作品。『ムンナー・マイケル』は、IMW 2019で人気を博した『フライング・ジャット』主演のタイガー・シュロフ人気から上映に至ったと推測。タイガー・シュロフの出演作品中、インドでの興収が失敗に終わった2作品が日本で好反応なのは興味深い。

[資料]

タイガー・シュロフ フィルモグラフィーと興収(Boxoffice India)

https://boxofficeindia.com/actor.php?actorid=10652

インド大映画祭

インド大映画祭開催期間:9月〜12月まで、大阪、名古屋、高崎で開催。
協力:インド映画同好会

【上映作品】タミル映画:ヴィクラムとヴェーダー (原題:Vikram Vedha, 2017)/百発百中(原題:Ghilli, 2004)/リンガー (原題:Lingaa,  2014)/24(2016)/セードゥ (原題:Sethu, 1999)
マラヤーラム映画:眠り (原題:Nidra, 2012)
テルグ映画:バーガマティ(Baagamathi, 2018)

今年初開催。東京国際映画祭で2017年に上映された怪作タミル映画『ヴィクラムとヴェーダー』や、南インド映画祭で上映された『24』など、評価が高い7作品が日本語字幕で上映された。『百発百中』『セードゥ』『眠り』『バーガマティ』はおそらく日本初上映。

[資料]

インド映画の魅力紹介 あすから高崎で大映画祭(東京新聞 12月13日掲載)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201912/CK2019121302000165.html

『ボース:忘れられた英雄』特別上映会

ボースポスター開催日:1月23日 駐日インド大使館VCC講堂/ 9月15日 武蔵野大学武蔵野キャンパス
原題:Netaji Subhas Chandra Bose: The Forgotten Hero (Hindi/ 2005)
監督:シャーム・ベネガル
出演:サチン・ケーデカル、クルブーシャン・カールパンダ、ラジット・カプール
音楽:A.R.ラフマーン
©️Sham Benegal Sahayadri Films

インド独立運動の闘士、スバシュ・チャンドラ・ボースの闘争の軌跡を描いた伝記映画。大阪外国語大学溝上富夫名誉教授の監修による日本語字幕版が特別上映された。

京都ヒストリカ国際映画祭

トゥンバードポスター開催期間:10/26~11/4
上映作品:トゥンバード
TUMBBAD (Hindi, Marathi/ 2018)
監督:ラヒー・アニル・バルヴェー/エイデーシュ・プラサード
出演:ソーアム・シャー、ハリーシュ・カンナー、ロンジニ・チャクラボルティ
©️Colour Yellow Productions, ©️Eros International

舞台は19世紀、マハーラーシュトラ州にあるトゥンバード村。この村で生まれたヴィナーヤクは、あることで金貨を得て富を築く。その影には、強欲のあまり人々から信仰されることを禁じられた神、ハスタルの存在があった。神話、民俗信仰を合わせた新タイプのホラー。上映後、クリエイティブ・スタッフを務めたスバーシュ・マスカラがトークに登壇し、作品にまつわる話を披露した。予算がないためほとんどロケで撮影、バルヴェー監督が18才の頃から温めてきたアイデアを映画化したが、完成までにかなりの年月がかかり、スタッフの入れ替わりも多かったという。ベネチア国際映画祭批評家週間のオープニングで上映され、インドでも製作費回収以上のヒットとなった作品。

27th キネコ国際映画祭

開催期間:11/1〜5

上映作品

1) 白い小石(原題:White Pebble)
監督:ディリップ・V・スード ※短編

2) 勇気をもって(原題:Fight of Freedom)
監督:アーティ・S・バグディ ※短編

チッパ ポスター3) チッパ(原題:Chippa, Hindi, 2019)
誕生日の前日、チッパに父から手紙が届く。手紙を読める人を探し一人夜の街へ飛び込む。『ライオン 25年目のただいま』(2016)の子役を好演した、サニー・パワール主演。ライブ吹き替えで上映された。
監督:サーフダル・レイマン、出演:Sunny Pawar
[ヒンディー語/ 90分]
©Ultra / Victory / TL

http://www.chippathefilm.com/

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019

山形国際ポスター開催期間:2019年10月10日〜17日
©️山形国際ドキュメンタリー映画祭2019

[上映作品]

〈インターナショナル・コンペティション〉

  • 別離(Absence) 2018/80分
    監督:エクタ・ミッタル Ekta Mittal
  • 理性(Reason) 2018/218分
    監督:アナンド・パトワルダン Anand Patwardhan

〈アジア千波万波〉

  • 夏が語ること(And What Is the Summer Saying) 2018/23分
    監督:パヤル・カパーリヤー Payal Kapadia
  • あの雲が晴れなくても(That Cloud Never Left) 2019/65分
    監督:ヤシャスウィーニー・ラグナンダン Yashaswini Raghunandan
  • そして私は歩く(At Home Walking) 2019/114分
    監督:ラジューラ・シャー Rajula Shah

〈春の気配、火薬の匂い〉インド北東部よりインド北東部で製作された17作品を上映。

『秋のお話』監督:ピンキー・ブラフマ=チョウドリー/1997/56分
『僕らは子どもだった』監督:ムクル・ハロイ/2018/69分
『老人と大河』監督:ゴータム・ボラ/2012/52分
『田畑が憶えている』監督:スバスリ・クリシュナン/2015/52分
『マニプールの蘭』監督:アリバム・シャム=シャルマ/1993/28分
『ライハラオバの踊り』監督:アリバム・シャム=シャルマ/1995/35分
『アルナーチャル州モンパの民』監督:アリバム・シャム=シャルマ/2001/20分
『こわれた歌、サビンの歌』監督:アルタフ・マジッド/2015/52分
『ルベン・マシャンヴの歌声』監督:オイナム・ドレン/2010/62分
『森の奥のつり橋』監督:サンジェイ・カク/1999/39分
『浮島に生きる人々』監督:ハオバム=パバン・クマール/2014/52分
『ナガランドの胎動』監督:プレム・ヴァイディア/1974/46分
『ミゾ民族戦線:ミゾの蜂起』監督:ナポレオン・タンガ/2014/28分
『新しい神々に祈る』監督:モジ・リバ/2001/28分
『めんどりが鳴くとき』監督:タルン・バルティア/2012/54分
『禁止』監督:タルン・バルティア/2018/40分

『人間機械』『あまねき旋律(しらべ)』など、劇場公開されたドキュメンタリー作品を日本に紹介した山形国際ドキュメンタリー映画祭。2019年は、インドから22本のドキュメンタリー作品が上映され、監督を招いたシンポジウムも開催した。

第20回東京フィルメックス

水の影ポスター開催期間:11月23日~12月1日
上映作品:水の影
Chola (Malayalam/ 2019)
監督:サナル・クマール・シャシダラン
©️Appu Pathu Pappu Production House

ドライブに出かけた一組のカップルと一人の男性。しかし少女はその夜、恐怖に見舞われる。東京国際映画祭2017で上映された『セクシー・ドゥルガ」が母国インドでの映画祭上映時、「セクシー」がセンサーにひっかかって物議になったシャシダラン監督作品。実際に起こった事件に着想を得て製作された。監督が来日し、Q&Aに登壇した。

[資料]

東京フィルメックス 監督Q&Aリポート(※結末に触れています)

https://filmex.jp/2019/program/competition/fc1

2019年、日本におけるインド映画ニュース

インド映画を紹介する日本のメディアはいつも、「踊るか」「踊らないか」を議論しているのは変わらず。そろそろ次の話題に移ってほしいところ。

[映画業界ニュース]

【インド人に聞いてみた】インド映画はなぜ歌って踊る? 最新のオススメ作品は?
(映画.com 1月17日掲載)

https://eiga.com/news/20190117/11/

(世界発2019)インド映画、もう踊らない 欧米価値観浸透、名物演出に「違和感」
(朝日新聞、3月20日掲載)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13941010.html

「バーフバリ」ヒット、世界標準化が奏功 踊らぬインド映画、花盛り
(産経新聞 10月11日掲載)

https://www.sankei.com/entertainments/news/191011/ent1910110005-n1.html

【アジアで会う】アンバラシ・デュライパンディアンさん 配給会社CEO 第278回 エンタメと笑顔を届ける(インド) (NNA ASIA 11月9日掲載)

https://www.nna.jp/news/show/1969098

『FILMAGA』の2019年上半期 映画ランキング。レビュー数1万件以下の部門満足度は『バジュランギおじさんと、小さな迷子』が第1位。

https://filmaga.filmarks.com/articles/2877

[Showbizニュース]

チランジーヴィーとアーミル・カーンが観光訪日

お忍びで日本観光に訪れるインドのスターは少なくないながら、2019年の驚愕観光客はこの方々。4月に、南印テルグ映画界のメガスター、チランジーヴィーと、北インドの人気俳優アーミル・カーンが日本でセルフィー。それぞれ観光のため来日し、帰国時に空港のラウンジで遭遇したようです。記事中の「京都」空港は、変換ミスだと見逃しましょう。

Aamir Khan bumps into Chiranjeevi in Japan and gifts fans an unmissable photo
(India Today, April 7)

https://www.indiatoday.in/movies/regional-cinema/story/aamir-khan-bumps-into-chiranjeevi-in-japan-and-gifts-fans-an-unmissable-photo-1495968-2019-04-07

A.R.ラフマーンが来日し『Jai Ho』を演奏/ ABUテレビ音楽祭

マドラスのモーツァルト、A.R.ラフマーンが、アジア太平洋放送連合(ABU)のテレビ音楽祭のため11月に来日し、『スラムドッグ$ミリオネア』から2曲を和楽器と共演。その模様が12月にNHKで放送されました。福岡来日時のメンバー2人に加え、新人歌手1人が加わっています。

Hey!Say!JUMP、アジア太平洋の人気アーティストと競演(オリコンニュース 12月28日掲載)

https://www.oricon.co.jp/news/2149930/full/

 


記事作成日:2020.1.7

  • ・文中敬称略。インド映画の上映記録をまとめたものが見つからなかったため、独自に作成しました。
  • ・作品データは、各作品の公式サイトを使用。不足した内容は、IMDb (Pro)を参考にしました。
  • ・リンク先のURLは、2020年1月7日時点でのものです。掲載媒体側の事情により、変更あるいは掲載終了になる場合があります。予めご了承ください。
  • ・新聞社サイト掲載記事は会員限定公開のものもあります。アーカイブとして残すため、敢えて掲載しました。
  • ・各作品の資料に基づき文章を作成しました。公式のサイトがない作品は、Wikipediaを参考にせざるを得なかったものもあります。間違いを見つけた方は「Enquiry お問い合わせ」よりご連絡いただければありがたく存じます。

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